Google Analytics講座を受講してきました。
2020/03/02(月), 03(火)と、ウェブ解析士協会がやっているGoogle Analytics講座を受講してきました。 上級ウェブ解析士取得時の講師だった稲葉先生にお願いし、2日間マンツーマンでみっちりやっていただきました。
受講に至った背景として、業務でGAを再び見る事になる可能性が高まったという事と、 我流でやっている部分が多く、より分析や提案の幅や質をあげていきたいなと思った次第です。
以下は、初級・上級ひっくるめた学びや今後のトライになります。
Google Analytics設定時のポイント
Google Analyticsで計測するために、行うべき事・行っておいた方が良い事がいくつかありました。 これらは、クライアントから「GAを見て欲しい」と依頼された場合に、まず設定がされているかどうかを確認すべき点でもあります。
- 排除IP
開発者や管理者に相当する人がアクセスするIPは外しておくと、より正確なデータとなる。モバイルは可能なら一般回線でないと行い検証以外ではWi-Fi接続した方がよさそうです。
- User ID機能
通常、同じユーザーでも利用するデバイスが異なると別のセッションとして集計がされますが、サイト側で会員機能のような同一ユーザを識別する機能があれば、GA上も同じアカウントとしてカウントできるという優れもの。 https://support.google.com/analytics/answer/3123662?hl=ja&ref_topic=3123660
- カスタムレポート
デフォルトのビュー以外で定期的に確認したいものを設定できます。 注目すべきセグメントや指標で分析結果が作れる。 おそらく運用されている方はほぼここを見ているのではないかと思われる。(自分はまだその役割になった事がないので想像)
便利だったネットワークドメインが2月以降取れなくなっているらしい。
- Search Consoleの調整
検索についてGA単体だととても貧弱なので、設定しておきたい。
- サイト内検索のトラッキング
サイト内検索の機能があるサービスであれば、有効にしておくと良い。「s=」といった検索ワードのクエリパラメータを設定する。
- eコマースの設定
設定対象がeコマースサイトの場合は有効にしておくと良い。これは設定だけでなく、専用のコードをサイトに埋め込む必要がある。
- 目標(コンバージョン)
必ず 何かしらを設定しておきたい。
目標は、「売上(金額)」になる事が多いが、別のサービスに誘導する事が目的であれば、「特定のリンクのクリック数」といったものにするなど、測れる指標を考える。
(個人的に計測したいサービスの目標は何なのかが見えないものは特に解析しなくてよいと思う(他にコストかけるべきと個人的に思う))
- カスタムディメンション/カスタム指標
GAは「ディメンション」と「指標」の組み合わせに基づいてレポートが出力されます。
「ディメンション」というのは、データの属性で、「指標」というのは、定量化されたデータの事。
「ブラウザ別に直帰率を見る」となると「ブラウザ(の種類)」が「ディメンション」で、「直帰率」が「指標」になり、
「Chrome」「Firefox」「Safari」「Edge」などブラウザ別に「直帰率」が見れる。
例えば会員サイトで「会員」「非会員」といった分析をしたい場合は、カスタムディメンション「会員属性」を用意してあげて、サービス側にて「会員」「非会員」といった値を埋め込む追加のコードを入れてあげると、
GA側でそのセッションのディメンションに情報が付加されるようになる。
指標は「整数、通貨、時間」が設定できるそうなので、例えばですが長いLPとかを分析する時に「どこまでスクロールされたか」とか、「カルーセルを何回押した」とかそういったのを送信すると良さそうなのかなと思います。
他サービスとの連携
- Search Console
https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
先の設定で出てきた検索向けのサービス。
検索クエリ別に、何回検索結果に表示されて、何回クリックされたかがわかるサービス。
- Googleデータポータル
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/data-studio/
なにこれ便利!!!定期ウォッチしたいレポートをまとめられるサービス。
- Google Tag Manager
https://tagmanager.google.com/
サービスに設置するいわゆる「タグ」を素早く簡単に更新できるツール。
GAなど「こういったタグを設置してください」と呼ばれているサービスについて、Tag Managerのコミュニティに登録があれば、必要情報を入れるだけで、タグが登録できます。
また、カスタムHTMLやカスタム画像を表示する事もできるので、ちょっとしたサイトへの小細工ができたりします。
サイト上にはTag Managerのタグ1つだけ設置して、他のタグはTag Manager経由で実行する。
実行される仕組みは、タグに対してトリガーと呼ばれるアクションを定義して、定義されたアクションをTag Managerが検知すると、タグが実行されるという仕組み。
トリガーは、ページビューのような汎用的なものから、「id属性'hoge'がクリックされたら」というような独自設定も設定可能なので、設計次第でいろんなものが計測できるようになります。
- Google広告
全くやったことないのでピンとこないが、連携することで、広告のCPAとかが判定しやすくなると思われる。
今度、やってるサイトで数千円レベルで自費でやらせてもらおうかしら・・・。
解析するに当たっての考え方のプロセス
この講座ではGAの使い方がメインと思いきや、割と解析の考え方のプロセスについて時間を割いて教えてもらいました。
お話を聞いて、サービスを解析する目的をまず明確にすべきと思いました。
経験浅い私ですが、なんとなく「GA」を入れて流入、PV数、CV数、離脱を見ているくらいの運用をされているところが多く、
場合によっては、とりあえず入れていて放置というところもありそうです。
それと、「UX軸で考えましょう」という事。施策を考える上でとても重要だと思います。
- KGIとKSFとKPI
サービスが目指すところを「目標」(≠GAの目標)として立て、ロジックツリーでKGI->KSF->KPIと落とし込んでいくのが第一段階としてあります。
例えば、「売上を今より10%UP」というKGIを立てたとして、それを達成するために何をする必要があるかをKSFとして考えます。
「リピート客を増やす」「新規ユーザーを増やす」など色々出てくると思います。
そのKSFに対して必要な指標をKPIとして考えます。
「新規セッション」を20%増やす、だったり「リピート割合」を10%増やすだったり、数値になるものをKPIとします。
- UX軸で考える
KPIを設定するだけでは、勝手に改善はされないので、改善案を検討する必要があり、
改善案を考えるためには、ユーザーの行動を理解する必要があります。
また、ユーザーも多種多様で、ユーザーの属性に応じてアプローチが変わってきます。
今回大事にしたいと思ったのは、その変化を「どうやったらUX軸を定量的に計測できるか」という視点を持つ事です。
「どうやったらUX軸を定量的に計測できるか」について、
汎用的にできそうな事としては、例えばカスタマージャーニーを作成した場合の
ユーザーのフェーズ(認知→興味→検討…etc)でカスタムディメンションを区切るというのはやった方がよさそうです。
そのために、どういう条件で「認知」から「興味」に移る事にするのかを定義する事になります。
他にも、UX軸で考えると、サービスを利用する時間や曜日が限られる事は仮説として上がると思います。
それを定量的に確認するために「曜日別分析」や「時間別分析」をカスタムレポートで作成するのも効果的に思いました。
自動化
データ取得の自動化のツールとして、 Google Spread Sheetが便利。
専用のアドオンがあったり、タイマー設定できたりするので、専用のツールを作ったりすると、時間短縮に繋がりそうです。
継続的に分析業務をする場合は、ここは必須でやりたいところです。
Google Analytics for Firebase
まだウェブ解析士協会でも一部の方しか知見がないとのことで、個人的にアプリを作るトライの中に含めてみたいなと思います。
他にもTipsや解析にあたっての細かい注意点や落とし穴について色々と教えてくださいましたが、
個人の学びとして大きかった部分を中心にまとめました。
それでもこの量になったので、すごく受講してよかったと思います。
あと、実際にGAみながら講座受けた方が理解スピード早いと思いますし、このテキスト見るだけだと理解しづらい点も多いと思うので、
是非気になる方は受講してみてください。
上級Google Analytics講座